はじめに
昔ながらの食堂っていいですよね。
家族でやっててオヤジさんがいつも同じ味を提供してくれるので心まで和みます。
いつまでもなくならないで欲しいお店で絶大なるファンもついています。
しかし、食堂のオヤジさんは2店舗目を出店することはできないでしょう。
まず、同じ味を提供することができないし、同じ雰囲気も提供することができません。
現状維持に甘んじてしまうでしょう。
食堂のオヤジでいることがスキならもちろんこれでOKなのです。
しかし、せっかく自営で努力しているのなら2店舗目を出店してもっと稼ぎたいと思うのも普通でしょう。
でも、同じコンセプトでの多店舗展開は困難です。
オペレーションの数値化
では、どうすればオヤジは多店舗展開に踏み切ることができるのでしょうか?
それは、「数値化」がキーワードとなります。
食堂のオヤジが多店舗展開するためにはオヤジの味を誰でも提供できるようにしなければなりません。
レシピなら食材や調味料をグラム単位で正確に書き出し、ガスレンジの火加減なども数値化してレシピを作ります。
店内の室温や湿度によっても味は変化しますのでベストな環境を数値化します。
そして、オヤジの料理スピードは超人級で同時に5品、6品当たり前に作っていきます。
料理提供時間も、待たせはするけどお客さんは満足して帰っていきます。
これも料理の種類によって提供までの時間を数値化して、厨房の人数との計算式でお客様に正確な提供時間をデジタル表示することも可能です。
いろんなことを数値化することによって誰でも同じようにでき、サービス業でも製造業のように正確に、しかも売り上げを伸ばしやすくなります。
くら寿司の真似できない数値化
くら寿司は飲食店にはあまりない高度な数値を使用しています。
飲食時間についての情報を集め、繁閑に応じてメニューを流す仕組みを作り、飲食時間を3等分し食べる量や勢いを数値化し、適正なレーンの動かし方を把握しました。
客の入りの数と流れている数を確認、数値化して『今作れ、作るな』というのを青信号と赤信号で表現。
他にも数値化にはいろいろ取り組んでいるようです。
この努力により、頻度向上に貢献し、売り上げは改善したとのこと。

寿司というのは職人の世界のような気がして、食堂のオヤジのようですがそんなことはなく非常に先進的なオペレーションを採用しているのです。
定量化と定性化
定量化と定性化。
例えば、「売れない」というのが「定性的」な言い方。
「¥50,000(昨年比110%)」という具体的な「定量的」な言い方。
言い方変えれば、具体化と抽象化。
チェーン店舗と個人商店の違いと同じですね。
チェーン店舗は数値で管理されていますが、食堂のオヤジは感覚で料理を作り、感覚で接客しています。
どちらが素晴らしいという意味ではなく、それぞれにメリットがあるのです。
目指す方向性によって決めていかなくてはいけません。
定量化できないビジネス
モノが介在しないビジネスの定量化はできるのでしょうか?
例えば、スピリチュアルな事業に定量化は難しいです。
目に見えない精神世界も量子力学よっていろいろと解明はされつつあるようですが、まだ先のことです。
もし、量子力学によって解明され、数値化できるようなことがあればスピリチュアルの世界もインチキが減り、確固たるビジネスになることでしょう。
セミナー講師をやられている方なんかも定量化は難しいです。
しかし、もし定量化することができればビジネスの発展もしやすくなります。
おわりに
アナタのビジネスは定量化できていますか?
これからの少子高齢化によって若く優秀な人材は集まりにくく、高齢者を採用しなくては事業の継続が難しくなるかもしれません。
それに対応するには現存する事業を誰でも運営できるように定量化して外国人でも対応できるようにしなければいけません。
ソフトである人材に頼りたい気持ちはわかりますが、今一度ビジネスモデルに見直しをかけてハード部分の環境改善、IT化の推進、オペレーションの見直しをしてみたほうがいいのかもしれません。
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