売上を成立させる公式として、
客数 × 客単価=売上です。
売上を上げるには、客数か客単価を上げることにつきます。
そこで、今回は客単価を上げる方法の一つとして、
「お客様のアタマの中身を言語化する」ことに要点を置いていきます。
目次
抽象化→具体化ー言語化することで客単価が上昇する?
家具店の店員によくある話です。
お客様にどのような家具がお好みかを聞いても具体的な答えが返ってこないのです。
表現するコトバを持ち合わせていないのが実際のところです。
「白い明るい家具がいい」とか「シックなものがいい」とか、とても抽象的なイメージなのです。
アタマの中にはイメージできているのですが、説明することの難しさが露呈します。
衣服などのファッションについても同じことが言えるでしょう。
「モダン」や「ファンシー」などのイメージも各人で印象が異なるのです。
このイメージをどのように解釈するかなのです。
お客様のイメージに寄せていくことが求められます。
どれだけお客様のイメージに近づくかによって、信頼関係も構築でき強い絆を保つことができるでしょう。
ヒアリングやSNSアカウントチェック!
顧客への事前のヒアリングで好みを聞くことは非常に有効です。
最近では、顧客のインスタグラムをチェックして好みを探ることも有効です。
インスタグラムはその人の感性や趣味嗜好の宝庫なのです。
インスタグラムを見させてもらうことができるのであれば、顧客の好みの傾向を知る上でも観察してみるのは重要です。
ツイッターなどのアカウントでの会話やブックマークしている画像などに多くのヒントが隠されているのです。
抽象化→具体化へ
「表現する」というのは結構難しいものです。
小説などの書物をたくさん読んでいる人は表現力が養われているものです。
形容詞を多く含む小説は、日本の四季を見事に表現します。
・厳かな(おごそかな)
・麗らか(うららか)
などは本当に見事な形容詞です。
アタマの中ではわかっているイメージもなかなか言語化するのは難しいのではないでしょうか。
言語化するチカラというのはとても大切な能力の一つなのです。
家具そのものではなくてライフスタイルを提案する
具体的な好みを把握したら、次はライフスタイルを提案します。
家具を使った部屋のイメージなどを見せるのです。
ジャパネットタカタの販売スタイルです。
ジャパネットは電化製品を使用するイメージを連想させるのが非常に上手です。
電化製品を使ってどのようにお客様の生活が変わるのか、楽しくなるのかをアタマにイメージさせることができれば、オススメする商品を購入するのです。
家具の場合は「ここにテーブルと椅子を置いて、、、」というふうに細かくイメージさせることはお客様の欲望をかき立てるのです。
将来のライフスタイルのご提案
同じく具体的に将来を思い描くことができるのならば、顧客は行動が変わってきます。
家具ならば、お子さんが入学したら学習机が必要になってきますし、成長に合わせて必要なものが出てくるものです。
お客様の情報を取得し、分析してお客様の行動を先取りしてセールスをすることができれば最高です。
お客様とは一生のお付き合いができるのです。
LTV(ライフタイムバリュー)の重要性は常に説いています。
LTV(ライフタイムバリュー)とは
一顧客が、ある決まったお店や会社から生涯を通じて消費する合計売上
目先の売り上げではなくて、お客様に一生寄り添って、お客様に喜ばれるべく、いろんな物やサービスを提供できるようになることがベストなお付き合いなのです。
基準を設定する
「ドクターペッパー」という独特のフレーバーのドリンクはご存じでしょうか?
ドクターペッパーは23のフレーバーをブレンドしてあの独特の味を作り出しています。
現在でこそ周知の事実ですが、以前はそんな多種をブレンドしているということは誰も知らなかったのです。
「23種ものフレーバー」と謳うことで他社の少品種のフレーバーが劣っていることをほのめかしました。
1種類のフレーバーでも大量に売れているドリンクはもちろんたくさん存在します。
しかし、ドクターペッパーの製法だけが、ドクターペッパーの基準で言うところの「フレーバーの数」で優れていると宣伝しました。
あなたの商品やサービスが特定の基準を満たす唯一の存在になれないのなら、競合よりも先に基準を設定してしまうのです。
そしてその基準を満たす唯一の存在であるということをアピールするのです。
抽象化→具体化ーUSPとは?
視点が違いますが、「言語化」ということで書きます。
「USP」って最近よく聞きませんか?
USP・・・USP(Unique Selling Proposition)とは、商品やサービスが持っている独自の強みを意味するマーケティング用語です。
ドミノピザだと「30分以内にお届け」とか、スタバだと「家でも職場でもない、第3の居場所」でキャッチコピーとは違います。
他にも
ダイソン「吸引力が変わらないただ一つの掃除機」
アスクル「今日頼んだら明日来る」
ライザップ「結果にコミットする」
どうですか?
あなたのビジネスにはありますか?
飲食店を経営しているのなら美味しくて安いだけを追求していませんか??
ドミノピザは飲食店なのに「美味しさ」の約束を謳っていません。
美味しさを捨てて、早さに特化したことが、強いUSPが作れている理由なのです。
ユニークであり個性がありオリジナリティを持つことです。
あなたのビジネスの売りはなんですか?と聞かれたら即座に答えれることです。
専門性があり、全員に喜ばれようとするのであれば秀逸なUSPにはなりません。
ライバルが提供していない約束をすることがあなたのビジネスを強烈なものとします。
あなただけのUSPを考えてみましょう。
これがビジネスの言語化の一つです。
USPを作るときの注意
ニーズがないところにUSPを打ち出しても、カンタンに商品が売れるというわけではありません。
以下の手順で正しいUSPを作ってるといいでしょう。
STEP1
あなたの業界で、まだ満たされていないニーズを書き出す。
STEP2
その中で、あなたの商品を提供することで解決できるニーズを選ぶ。
STEP3
そのUSPを市場に明確に伝える。
売れるUSPと売れないUSPの違いがあります。
それは、「顧客のニーズに合っているかどうか」です。
ただ、USPを作ればいいというわけではないのです。
最近多いのがジャンクフードのヘルシー化です。
非常に難しいのです。
ドーナツやピザをヘルシーにしたところでなかなか売れません。
「おっ、まだ誰もやってないから売れるのでは!?」となってしまわないよう気をつけてください。
誰もやってないのは、もうやり終わった後だったり、売れないのがわかっているからなのです。
ほとんどのことはもうすでに誰かが考えて実行していると思って間違いありません。
気をつけましょう。
抽象化→具体化ーキャッチコピーも
USPとは違いますが、似たようなもので「キャッチコピー」の方が馴染みがあるのではないでしょうか?
キャッチコピーだけで売上が何十倍にも変わったケースもあります。
例えば、皆さんお馴染みの飲料水「綾鷹」。
綾鷹はペットボトルお茶市場でたったのシャア1%でした。
それがこのキャッチで劇的に変化しました。
「急須で入れた緑茶に最も近いのはどれ?…選ばれたのは、綾鷹でした。」
このキャッチで、本来綾鷹が持っていた商品の魅力が一気に伝わるようになり、そして今では、誰もが一度は飲んだことのある大ヒット商品に生まれ変わったのです。
綾鷹最大のポイントである、「にごり」の存在を伝えるだけでは、本格的な緑茶だという魅力が伝わっていなかったのです。
よりわかりやすく周知させることの大切さがわかります。
抽象化→具体化 30秒であなたのビジネスを説明できますか?
エレベーターピッチは、短い時間(エレベーターでの移動時間ほどの30秒から1分)で自分のビジネスやアイデアを相手に伝え、興味を引くための簡潔で効果的なプレゼンテーション手法です。
この方法は、特に初対面の人や投資家に自身のビジネスを紹介する際に有効です。
あなたのビジネスを30秒で説明するには当然ですが、あなたのビジネスの特徴をしっかりと理解していなければなりません。
ビジネスを「抽象化→具体化」でデザインする際の3段階「問題」、「解決」、「証明」について説明します。
まず、「問題」の段階では、市場や顧客が直面している問題やニーズを明確にします。
次に、「解決」では、その問題に対する自社の製品やサービスがどのようにして解決策を提供するかを説明します。
最後に、「証明」の段階で、実際の事例やデータを用いて、提案した解決策が効果的であることを示します。
次に、珍しい職業に基づいたエレベーターピッチの例を紹介します。
ペット占い師: 「ペットの行動や感情が理解できないですか?私はペット占い師として、あなたのペットの気持ちを読み解き、より良い飼い主ペット関係を築くお手伝いをします。過去に100組以上の飼い主とペットの問題を解決し、より幸せな共生を実現してきました。」
宇宙ゴミ回収業者: 「宇宙のごみが増え続ける中、私たちのミッションは宇宙をクリーンに保つことです。最先端の技術を駆使して、地球周辺の宇宙ゴミを安全かつ効率的に回収し、宇宙活動の安全を守ります。NASAとの共同プロジェクトで実績を積んでいます。」
植物言語翻訳家: 「植物が発するサインを読み解き、より良い栽培方法を提案します。私の独自の研究により、植物のストレスや成長の秘密を解明し、農家やガーデナーが作物の収穫量を増やす手助けをしています。」
これらのエレベーターピッチは、それぞれの職業がどのようにして特定の問題に取り組み、解決策を提供し、その効果を証明しているかを示しています。
あなたはジブンのビジネスを30秒で説明できるでしょうか?
おわりに
言語化するということは、結局のところ、お客様のことをよく知ろうという積極性から生まれるものなのです。
アタマの中を書き留める。
しかも、トコトン細かく。
マインドマップの枝がどんどん伸びていくイメージです。
自分自身のことを知ってくれると、人はとても嬉しいものです。
自分に関心を持ってくれている。
好きでくれている。
これほど嬉しいことはありません。
そこで返報性の原理が働くのです。
返報性の原理とは・・・人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱く心理
これだけ好きでいてくれるのなら何かお返しをしなければ、、、と購入の意識が働くのです。
抽象化→具体化は、定性化→定量化と非常によく似ています。数値化することの必要性は、こちらの「売上低迷の個人商店のオヤジはこの時代、売上を改善できる?」から確認してください!
→売上低迷の個人商店のオヤジはこの時代、売上を改善できる?