目次
はじめに
インドのデリバリーシステムは秀逸です。
という面白い記事です。
以下、引用です。
インドは社会的なインフラがまだまだ未整備なのにも関わらず、伝票もPOS端末も携帯電話も一切なんにも使わずに毎日20万食の昼食を時間通りに届ける「ダッバワーラー」という驚異のシステムが存在しているのです。
ダッバーワーラーとは
ミスは1600万回に1回、驚異の低エラー率
超複雑なネットワークを人力で運営するダッバーワーラー達
130年もの歴史があるのです。
なぜダッバーワーラーは超低料金で超優良サービスを提供できるのか?
ダッバーとはインドでよく使われる金属の弁当箱、ワーラーは「~をする人」の意味ですが、午前中に作ったお弁当を各家庭から集め、お昼までに届けるというお仕事です。
ダッバーワーラーは毎日、この20万人全員の家からお弁当を集め、職場に届け、空になった容器を家庭に戻します。
それではこのうち、配達間違いなどのミスはどれくらいあるのでしょうか。
インドでは識字率が高くないこともあり、ダッバーワーラーは携帯電話やコンピューターといった電子機器はもちろん、紙の伝票すら使いません。
そのエラー率、実に1600万回に1度。百分率では0.00000625%。つまり2ヶ月に1回しか失敗しないというのです。
超複雑なネットワークを人力で運営するダッバーワーラー達
ダッバーワーラーは超・几帳面です。
毎日必ず決まった時間に荷物がピックアップされ、決まった時間に配送され、決まった時間に回収されます。
どんな理由があろうとスケジュールは変更されません。
平等な報酬
1人あたりの月収は5000~6000ルピー(約9000~1万円)。
ムンバイ市民の平均月収の約半分くらいなのですが、所得の地方格差を考えるとごく普通のインド人が暮らしていくには十分なのかもしれません。
緩いルールを厳格に守っている
「お弁当出し忘れたからもう一回集めに来てよ」など、ダッバーワーラーには一切融通がききません。
余計なサービスを本当に一切省くことで、高い効率・低いコスト・早い習熟を可能にしているわけです。
ダッバーワーラーと組織の社会貢献
近年、顧客の方も携帯電話やインターネットを通じて注文することが多くなったので、こうしてコンピューターを使えるように訓練を受けます。
これはそのまま職業訓練となって、他の職業に転職しやすくなるわけです。
集金伝票を書きながら文字を覚える人もいて、確実に「労働者の満足度」は高いと思われます。
しかもダッバーワーラーの社会貢献・優良企業っぷりはこれだけではありません。
日本なら超優良企業かくやといわんばかりの実績を残しています。
・世界の企業の夢、シックスシグマ(エラー率 0.00034%以下)を余裕で達成
・ISO9001取得(2000年)
・配達には自動車・バイクを一切使わず徒歩や自転車、電車しか使わないので環境に超優しい
・コンピューターを一切使用しないのでダウンタイムがない
・苦情ゼロ=顧客満足度100%
・まったく宣伝しないのに年間5%~10%で成長
・超低離職率。勤続30年もザラ
・1890年のサービスイン以来、リストラの記録なし
・1890年のサービスイン以来、刑事罰・民事訴訟の記録なし
これらに加えて組織目標が「親しい人が調理した昼食を配達することで、顧客に健康的な食生活を提供する」……ディズニーランドもびっくりのビジョナリー・カンパニーでもあるのです。
ダッバーワーラーの紹介
amazonプライムに「ダッバーワーラー」を舞台とした映画があります。
評価は4.5と高評価でとても面白いです。
映画内でもダッバーワーラーの正確さを強く表現しているシーンがあります。
配達をミスした配達員に女性が苦情を言うのですが、いっこうに話を聞いてくれません。
「そんなわけはない!」と頑ななのです。
絶対に間違えるわけはない!と絶対的な自信を持っているのです。
それくらい誇りも持ち合わせているのでしょうね。
ダッバーワーラーは、米ハーバード・ビジネス・スクールで「サービスエクセレンスモデル」として取り上げられています。
映画内でも「ハーバード大学が、、、」と秀逸さを語っています。
インドもデリバリーテクノロジーが
インドもテクノロジーの波が例外なく押し寄せてきています。
大規模スタートアップ企業によるデリバリーサービスがスタートしています。
ダッバーワーラーも対抗すべく、はやりのレストランチェーンと提携しています。
読み書きができない人の多くがダッバーワーラーに従事しています。
コロナでオフィスへのデリバリーが少なくなったダッバーワーラーは仕事がなくなって危機が訪れています。
提携などを模索しながら、大勢のダッバーワーラーがインド中を駆け巡っています。
おわりに
130年もの歴史を持つダッバーワーラー。
世界中のデリバリーの元祖と言ってもいいでしょう。
テクノロジー企業に負けないで欲しいですよね。
インドオリジナルのデリバリーの進化も期待しています。