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「委任」と「命令」の違いで業績は大きく変わる

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「委任」と「命令」の違いで業績は大きく変わる

はじめに

企業は、業績が悪化するとリストラなどで統制的な手法で組織を厳しく締めつけ、業績を改善しようとする経営者が多くなります。
が、一時的には業績が上がるかもしれませんが、長い目でみると多くの場合、従業員のやる気を低下させ、組織がボロボロになってしまいます。
この問題を考えるうえで参考になるのがダグラス・マグレガーの『X・Y理論』です。

「委任」と「命令」の違いーX理論、Y理論とは?

X理論とは、単純に言うと「性悪説」です。
『人間は本来なまけたがる生き物で、責任をとりたがらず、放っておくと仕事をしなくなる』命令や強制で管理し、目標が達成できなければ懲罰。
また、普通の人間は命令されるほうが楽で、責任を避け、安全を望むという考え方です。
これに対しY理論は「性善説」です。
『人間は本来進んで働きたがる生き物で、自己実現のために自ら行動し、進んで問題解決をする』
また、人は条件次第で自ら責任を取ろうとするという考え方です。
マグレガーは、Y理論で経営を行うほうが高い成果をあげると主張しています。
信じて任せたほうが人は力を発揮する。
たまに悪いことをする者もいるが、それは一部である。

「委任」と「命令」の違いー日本と中国では次元が違う?

しかし、wikipediaによると
アブラハム・マズローが先に唱えた欲求段階説を基にして説明されている。
XY理論に境界はなく人間はX-Yを繋いだ線上にある前提で、X理論は低次元の欲求を多く持つ人間の行動モデルに分類され、Y理論は高次元の欲求を多く持つ人間の行動モデルに分類される。
マクレガーは、低次元の欲求が満たされている人に対してはX理論による経営手法の効果は期待できない。
低次元の欲求が満たされている1960年代ではY理論に基づいた経営方法が望ましい
、と主張した。
マズロー欲求の5段階
先進国である日本では、低次元の欲求である、生理的欲求と安全の欲求は大半が満たされているので、Y理論で業績アップするのは納得できます。
しかし、中国はまだ発展途上なため、低次元欲求を満たすのはまだまだ時間がかかるので、X理論をベースの経営となるでしょう。

「委任」と「命令」の違いーGoogleの動き、、、

日本でも保守的な会社になると「性悪説」を基盤としている傾向が強いのです。
ご存知、Googleは自由な社風のイメージが強いのは皆さんご存知でしょう。
車内を自転車で移動し、スタッフが談笑している様子は見たことがあります。
Googleはもちろん頭脳労働で高次の欲求を持つ人材が多いので「性善説」が根本となっています。
Googleは、勤務時間の20%は好きなプロジェクトをしてもいいという「20%プロジェクト」など面白いことを実施しています。
こうしたGoogleの気風は、創業者たちが幼い頃に「モンテッソーリ教育」という教育プログラムを受けてきたことから起因しています。
「モンテッソーリ教育」は、将棋の藤井聡太四段が受けていたことでもとても話題に上りました。
子供の好奇心を活用し自主性を育てます。
クラス編成も面白く、通常のように同じ年齢の子供たちを同じ教室に集めるわけではなく、たとえば「3〜6歳」「6〜9歳」「9〜12歳」と、年齢の異なる子供同士でクラスを編成するところが大きな違いです。
クラス内の年少の子に年上の子が教えていく流れを作っていくのです。
年令が上がると今度は自分が教える立場に変わっていくのです。
先生はコーチング的な役割を担います。
子供たちは自分で学習できるように成長志向を育んでいきます。

「委任」と「命令」の違いーホントの「性善説」「性悪説」

一般に「性善説」は「人間は善人であるから信用しても大丈夫」という教えです。
「性悪説」は「人間は見てないところでは悪人であるから悪いことをしたら懲罰を与えよう」という教えです。
しかし実際は、孟子が唱えた性善説は「人は可能性の塊だから、良い所を伸ばせば立派になれるよ」という思想です。
荀子が唱えた性悪説は「人は怠惰な怠け者だから、悪い所を改善していけば立派になれるよ」というものです。
環境である職場は性悪説で事故などが起こらないように改善していくことがベストなのではないかと思います。
性悪説は安全工学を基として「人的エラー」を削減していくことに重きを置くべきなのでしょう。
現場での事故をなくすことが目的として性悪説で進んでいくことなのです。
人への接し方は性善説で、他人を信用し能力を伸ばしていくことがベストでしょう。

「委任」と「命令」の違いー「利他」の精神

「性善説」からでないと「利他」の精神は育まれないでしょう。
そして、そういった精神からは時に痛みから解放される場合もあります。
自発的な利他的行為が、実際に肉体的な痛みを減らし、目的意識を向上させることもあることが証明されています。
『米国科学アカデミー紀要』に発表された論文によると

・地震が起こった後で自発的に献血をした人たちは、そうでない人たちよりも、注射針の痛みを感じなかった。
・出稼ぎ労働者の子供たちのためのハンドブックを改訂するのに、自発的に自分の時間を割いて手をかした人たちは、そうでない人たちよりも極寒の外気にさらされても辛いと思わなかった。
・慢性的な痛みに苦しめられているがん患者に、他人、もしくは自分の為に料理と掃除を行ってもらったところ、他人の為に行った患者は、自分の為に行った患者よりも痛みの度合いがかなり和らいだ。
・孤児を助ける募金について実験。寄付を快く行った人に「寄付がどれくらい子供たちの役立つか?」という質問をし、その後手に強い電気ショックを与え、MRIで脳をスキャンしてみたところ、電気刺激にそれほど反応しなかった。
 一方寄付を行わなかった人にも同様の電気ショックを与えたところ、電気刺激に強く反応した。「自分の行為が子供たちの助けになった」と信じている人ほど、痛みに対する脳の反応も小さかったことが明らかとなった。

より他人の役に立っているとその人が信じるほど、痛みを感じにくいという結果なのです。
要するに善人であることが前提となっているのが人生なのでしょう。

おわりに

だから同じマクドナルドでも、日本ではスタッフの自主性に任せて運営している側面が強いのですが、中国ではスタッフを野放しだと悪いことばかりしてしまうかもしれません。
ジブンでも店舗経営時代、人手不足ため中国人スタッフを雇い入れた経験がありますが、どうにもこうにも苦労しました。
でも、これは中国人の資質に問題があるというわけではなく、欲求の段階が上がって豊かになっていけば中国もY理論での運営にシフトしていくでしょう。

マクドナルド / penpenpen

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