事業を大きくするためには設備投資が必要になります。
事業をスタートしても軌道に乗るまでは赤字の連続です。
そんな時のために現金を余分に持っていないと事業が立ち行かなくなってしまいます。
金融機関から融資を受けるのはごく普通のことなのです。
もちろん、金融機関もビジネスなのでカンタンには融資してくれません。
個人保証を求められます。
実際、融資履行後で返済中の方でも経営者保証を外したいとは思いませんか?
経営者保証は大きな足かせとなります。
経営者保証を解除するにはどうすればいいのでしょうか?
目次
保証人解除してもらう方法とは!?ー経営者保証を外す
融資の際の『経営者の個人保証』。
これがあると、経営者は縛られっぱなしで再起不能に陥ってしまう日本の中小企業経営者。
近年は銀行にも現金がだぶついていてお金を借りて欲しい状況なのです。
個人保証を取る時代ではないのは明らかです。
ここらへんは欧米の方が先に進んでいます。
再挑戦しやすい環境なのです。
もちろん、日本の金融機関は保証人を求めてきます。
返済に行き詰まると個人の財産を投げ打って借金を返済しなくてはいけない。
当たり前っちゃ当たり前ですが、、、
でも、せめて海外並みに再挑戦できる環境を整備する動きも活発化してきたようです。
そこで、平成26年2月1日より『経営者保証に関するガイドライン』が適用されました。
「経営者保証に関するガイドライン」
金融機関は、金融庁から「経営者保証に関するガイドライン」を運用するように言われています。
「経営者保証を取るな」と指導しているのです。
それによると、
(1)法人と個人が明確に分離されている場合などに、経営者の個人保証を求めないこと
(2)多額の個人保証を行っていても、早期に事業再生や廃業を決断した際に一定の生活費等(従来の自由財産99万円に加え、年齢等に応じて100万円~360万円)を残すことや、「華美でない」自宅に住み続けられることなどを検討すること
(3)保証債務の履行時に返済しきれない債務残額は原則として免除すること
と、定められています。
もちろん、新規融資だけでなく、過去に契約した融資も、個人保証を外す対象になっています。
なので経営者保証を解除する努力をしてみましょう。
今、アナタの事業が成長期だとしても確実に成熟期が来て衰退期がやってくるのです。
うまく新規事業などを発掘できたとして乗り切れればいいのですが、乗り切れなかった場合は事業縮小の憂き目にあってしまいます。
そんな時に経営者保証は足かせでしかありません。
個人保証を外せないケースは、次の2つの場合があります。
・債務超過である。
・2年連続、減価償却前の経常利益が赤字である。
まあ、これは当然といえば当然でしょう。
しかし、これは法律ではないので強制力がありません。
しかし、金融機関はこれを無視することができないので、お願いしてみる価値はありそうです。
担当税理士と相談してみてください。
個人保証が取れれば、かなり安心して経営ができることと思います。
『経営者保証に関するガイドライン』の活用実績が実際に公表されています。
平成26年2月~27年9月実績
金融機関は新規融資の際、当然のように個人保証を求めてくるのです。
そこで安易に「はい、わかりました」と言ってはいけないのです。
個人保証は絶対ではないので断ればいいのです。
金融機関は個人保証を当然のように思わせてるだけなのです。
個人保証を請求してきたらまずは断ってみて、金融庁に「確認してみます」とウソぶいて言ってみればいいでしょう。
金融機関側から「え!、、、、わかりました」と渋々返答があるかもしれないのです。
新規融資や、すでに実行されて支払い続けている融資も個人保証を外せたらラッキーです。
やはり金融機関と粘り強く交渉することが重要です。
「経営者保証が外せるならあと10回くらい起業できるでしょ! 」って思ってしまいます。
2023年4月から経営者保証を“実質的に制限”
経営者保証を“実質的に制限”する改正案が金融庁から発表されました。
金融機関による中小企業向け融資に対する監督指針の改正であり、2023年4月から予定しているようです。
上記ガイドラインに拘束力はなく、直近の中小企業向けの新規融資における経営者保証の割合は約7割とのことですので、有効に機能しているとは到底言えません。
今後、金融機関が経営者保証を求める場合には、上記の3要件を踏まえ、具体的にどの部分が十分ではないのか、どこを改善すれば経営者保証の変更・解除の可能性が高まるのかを説明し、その旨を記録する義務を課すということなのです。
これまで金融機関は定量的な判断基準を示さずに経営者保証を求め、経営者はこれを受け入れるしかなかったのです。
しかし、ガイドライン公表以降は、経営者がゴネたら簡単に外れたということもあtたそうです。
つまり、本来は経営者保証が必要ではない中小企業に対しても、金融機関は一律に経営者保証を求めていたケースが多くあったということなのです。
今回の改正により、理由なく経営者保証を求められることはなく、透明性が高まるのではないでしょうか。
しかし、金融機関が経営者を丸め込めば、これまでどおり経営者保証を求めることはできるわけです。
結局は金融機関とのパワーバランスにもよるため、経営者が自ら折れることもあるでしょう。
そんな金融機関は淘汰されればいいなと個人的には思いますが、、、
今後は当然ですが、確実に利益を出し、内部留保を積み増し、財務基盤を強固にすることの優先順位が高まります。
財務基盤が強固になるということは、融資を受けなくても自己資金でまかなえる可能性ももちろん高まります。
同時に、経営者保証が外れ、かつ融資を受けやすくなるのです。
中小企業において勝ち組・負け組が明確になり、経営者保証というレッテルが、これまで以上に際立つ格好になってくるでしょう。
保証人解除してもらう方法とは!?ー日本でも個人保証なしが増えてきた??
下表の「政府系金融機関における「経営者保証に関するガイドライン」の活用実績」をみてください。
③新規融資に占める経営者保証に依存しない融資割合が平成29年度で件数ベースで34%、金額ベースで52%なのです。
もう、そんな高い割合まで来てるのです。
、、、と言っても政府系金融機関なので、商工組合中央金庫、日本政策金融公庫などに限られてしまいますが。
民間の金融機関の数値は発表されていませんのでもちろんここまで高くないのが現実です。
しかし、銀行も競争が激しくなって来ました。
融資がスムーズに進まないと新規顧客も増えることはないので当然経営は苦しくなるわけです。
経営者保証に関しては厳しさを増すことはなくなると思います。
緩くなる一方なので、常に経営者保証解除に向けてアクションを起こしておいたほうが得策です。
交渉してみるだけ交渉してみたほうがいいことは間違いありません。
経営者保証解除の新時代:中小企業のためのガイドライン
経営者保証改革プログラムの概要
2023年4月から開始された「経営者保証改革プログラム」は、経営者個人ではなく企業自体の信用で融資を受けられるようにするものです。
これにより、経営者及びその家族の心理的、財政的負担が大幅に軽減されます。
銀行との交渉ポイント:ガイドラインの遵守
経営者保証を外すためには、銀行との交渉が必須です。
銀行は「ガイドライン」に基づいて、経営者保証なしの融資を行うことが推奨されています。
このガイドラインは、資産の分離、経営基盤の強化、経営の透明性の3つの要件に焦点を当てています。
保証解除への具体的なステップ
経営者保証改革プログラムにおいて、保証解除を成功させるためには、自社がガイドラインの3つの要件を満たしているかを銀行に確認し、必要に応じて改善策を講じることが大切です。
銀行と積極的に相談し、改革プログラムの利用を目指しましょう。
おわりに
保証人というシステムはホントに足かせです。
自分が創業した事業の保証人として自分がサインするならまだいいですが、第三者として保証人になってしまうのは切ないでしょう。
よく親に「他人の保証人にだけはなるな!」と言われたものです。
他人の借金をかぶって自己破産せざるを得なかったした人って結構いるものなんです。
保証人は、他人に多大な迷惑をかけてしまう可能性があるのです。
そして再起が非常に難しくなってきます。
経営者としての自分がいつ病気になるかもしれませんし、業績が衰退するかもしれません。
常に経営者保証は解除する努力を惜しまないようにしましょう。
素早く再起ができるようにならないと一回の人生がつまらないものとなって終わってしまうことでしょう。