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これからの飲食店〜テクノロジーと存在意義〜

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これからの飲食店〜テクノロジーと存在意義〜

はじめに

日本はグルメ大国です。
飲食店への参入が容易だからというのが理由としてあります。
だからこそ、閉店してしまうお店も多数存在します。
ワタシも閉店という憂き目に遭ってしまった一人です。
少子高齢化もあり、労働人口の減少という事態にも備えなくてはいけません。
豊洲のショッピングモールの飲食店などは空席が目立つのに行列が絶えないそうです。
従業員がいないため、お客さんをお店に入れても注文をこなすことが出来ないのです。
人手不足は深刻です
では、これから先、飲食店はどのように運営していけばいいのでしょうか。
それをじっくり診ていきたいと思います。
これからの「飲食店デザイン」ですね。
ここでいう「デザイン」は見た目のスタイリングのことではなく、「店舗運営に関しての創意工夫」などの意味になります
テクノロジーと存在意義についても見ていきましょう。

需要に応じて価格変動するアプリ

ニューヨークでローンチされたアプリ『Gebni』

まあ、よくある出前アプリかと思いきや、、、
なんと、需要に応じて料理の価格が変動します。


なかなか面白いです。
でも、そんなに単純ではありません。
価格が変動するのって実はすごく理にかなってるのです。
そもそも価格というのは本来、需要と供給によって決定するものです。
それがアプリによって適正価格をキープできるというだけのことで、考えてみるとごくごく当たり前のことなのです。
最近では「ダイナミックプライシング」と言ってAIやビッグデータで価格変動システムを活用する動きが活発化しています。

なぜ価格変動の必要が??

誰しも経験してると思います。
飲食店のランチタイムとディナータイムの混雑。
ランチは12:00~13:00
ディナーは18:00~19:30くらいでしょうか。
ホントにこの時間帯に一気に集中するのです。
特にサラリーマンの方なんて決められた休憩時間にランチをしなくてはいけません。
なので、料理が時間内に提供されないと困りものです。
だから店舗側としては、なるべくお客様の集中を避けてもらいたいものです。
しかもランチタイムとディナータイム以外は結構ヒマで売上を稼ぐことができません。
そこでピークタイムのランチとディナーは価格を高くしてオーダーを減らし、通常ヒマだと言われている時間帯14:00~17:00の価格を低くしこの時間帯にオーダーを増やすようにします。
そして、どの時間帯も均一にオーダーが入るようにしたいのが店舗側の希望なのです。

価格変動で生産性アップ

オペレーション上、どの時間帯もオーダーが入ることが好ましいのは店舗側の都合ですが、他にもメリットはたくさんあります。
料理はやはり人間が作るものです。
忙しい時は雑になって当たり前です。
ゆっくり落ち着いて作った方が美味しい料理ができて当たり前のことです。
なのでピークタイムに提供する料理は質の面では???というのが現状です。
いくら急いで作っても味は変わらないと思っても、焦って作るよりは落ち着いて作る方がいいに決まっています。
焦ることによって衛生面も疎かにすることは当然ありうることでしょう。
時間の制約もないお客さんにとっては混雑しているピークタイムを利用する意味はありません。
それなら喜んで価格の安い時間帯であるアイドルタイムを利用するでしょう。
そもそも、繁忙期であるゴールデンウィークやお正月は、ホテルや旅館も当然価格を高めに設定しています。
それをもっと細かく時間帯で設定するようにできるのが飲食店です。
もっと早くやるべきだったのかもしれません。

出前やデリバリーは限界が早い

出前やデリバリーは売上の限界が早いのです。
配達人数以上に売上を伸ばすことができません。
単純に1人の配達員で、1時間に配達件数4件くらいしか行くことができません。
なので、オーダーがどの時間帯も均等に入ってくれることがより好ましくなるのです。
しかも、配達に関しては、焦りが即座に交通事故に直結します。
安全策にも配慮しやすいということです。

長期的にみるとAIによる飲食店デザイン

AI(人工知能)の時代だと叫ばれています。
AIによるオートメーション化により、単純作業は機械に置き換えられると言われています。
ワタシがチェックしているソフトバンク資本の「ズームピザ」は従業員一人で運営できるデリバリーピザ屋さんです。
ワンオペで成立するようなオペレーションにする。
だが、現状ズームピザは本国アメリカでリストラの真っ最中です。
今後に期待しましょう。

ワンオペを徹底すると聞くとブラックのイメージがつきまといますがそうではありません。
マイペースで運営することができます。
営業時間も短くすればいいのです。

カツカレーのカツは切らなくてよく、フォークとナイフを添えればいいのです。
トンカツは薄めにして火の通りをよくして調理時間の短縮化に努めます。
テーブルをトレーで埋めて、食べかすや水滴がこぼれないようにするとテーブルを拭かなくて済みます。
そして、食券制にして現金を触らなくていいようにする、、、など考えれば効率化は十分可能です。

シェアレストランの「OPEN DISH」は設備投資にお金をかける必要がなく飲食店を運営できるこれからの飲食店のあり方です。

一ヶ月単位で実験的に出展もできますので力試ししてから本格出店を考えることもできます。
好評ならクラウドファンディングで資金集めなどしてみるのもいいのかもしれません。

飲食店に従事する者の心構え

SDGsが叫ばれるご時世です。
料理を始めたほとんどのシェフは、皿の上での見た目や味を超えて、食べ物の重要性についてあまり考えたことがないのではないでしょうか。
しかし、国外では新世代のシェフが登場しています

最近のフードカンファレンスを例にとってみましょう。
あまり多くの人が参加しているわけではありません。
なぜなら、土地改革、再生型農業、地域の穀物経済、食料主権などは、誰もが楽しいと考えるものではありません。
しかし会議の中多くの参加者である複数の大陸やタイムゾーンのシェフが、どうすればフードシステムをより良くできるかを考え出そうとしています

私たちの食品の生産者が誰であるかを理解し、農家、食料品店、およびその労働者を支援することが求められています。
私たちは昔からの食文化、誰がどの食べ物にアクセスできるか、および食の歴史の他の重要な側面についてできる限りのことを学ぶべきなのです。
70年代に福岡正信さんが書いた「わら一本の革命 自然農法入門」は素晴らしく、より公平なフードシステムがどのように見えるかについて考えさせられます。
責任を持って食材を調達する努力を継続的に行うことは困難です。
完成した料理のごく一部にしか使用されていない食材はなおさらです。
多くの学習と指導だけでなく、多くの作業が必要です
もっと大きなものの小さな一部であることを常に思い出さなければなりません。
シェフたちは、自分たちにはプラットフォームがあり、それをより有効に活用しなければならないことに気づき、ますます挑戦に乗り出しています。
喜びと快適さ、そしておいしい料理を提供する一方で、シェフの声はツールキットの他の部分と同じくらい重要であるという認識があります。
確かに、考え方や行動の変化は遅すぎますが、それでも非常に歓迎すべきものです。
ですから、次に注文する食べ物や外食する場所を検討するときは、皿に見えるものだけでなく、シェフの口から出てくる発言についても楽しみになっていくのです。

使命感を持つ

飲食店で儲けるのはタイヘンな時代です。
同じ努力するなら他の業種で頑張った方が遥かに利口でしょう。
それなのに、飲食という業種で頑張るには理由がないと一時的なモチベーションでは継続できません。
なのでミッション(使命)が必要です。
頑張る理由ですね!
TVで見ましたけど、ざるを使った焼き肉で「ざる焼肉」というのがありました。
そこの経営者はあくせく働きながら寝る間もおしんで働いていました。
なんぜそんなに頑張るのかと尋ねられたら、、、
「美味しいざる焼肉を食べてもらいたいから!」と自信を持って言っていました。
やはりコレなのです!
使命を持って「ざる焼肉」を伝えたいのです。
やはり目的を持って働くと疲れも感じず働けるのです。

おわりに

実はワタクシも、新しいタイプのデリバリーショップを運営時に、この価格変動制のシステムは目玉として試験運用する予定でした。
結局のところ、そこまではいきませんでしたが、考え方としては絶対にアリだと思っています。
生産性向上の考え方として価格をいじってみることは当然の流れです。
特に近年はワンプライスという考え方は古くなってきています
需要に応じて対応を変化させる。
これがホントの『オンデマンド飲食店』だと思います。
これからの「飲食店デザイン」は「AIとオンデマンド」が主流となっていくのかもしれません
そして「食のあり方」が重要なのです。